農業土木を支えてきた人々

本コーナーでは、農業土木事業により地域開発に大きな足跡を残した先覚者を紹介いたします。
原文は学会誌第47巻(1979年)から第57巻(1989年)にわたり 「農業土木を支えてきた人々」 として連載された報文です。

北海道   土功組合法と青木利一 (第49巻第3号)
         青木利一(1853~1931)岐阜県生まれ、家は代々篤農家。明治23年札幌に移住し、開拓を推進
北海道   北海道幌向原野開拓の祖 辻村直四郎 (第50巻第4号)
         辻村直四郎(1869~1941)神奈川県生まれ。開拓者、東大中退後、渡道、幌向開拓
北海道   泉麟太郎 -角田村開拓の祖- (第50巻第6号)
         泉麟太郎(1841~1929)明治の開拓者、仙台藩角田領主の家臣。夕張開墾起業組合、角田村土功組合(道内1号)
青森県   新渡戸傳 (第47巻第12号)
         新渡戸傳(1793~1871)武士、商人、盛岡藩家老、大参事、三本木原開拓(1855~)
岩手県   胆沢地方における 「カンガイ」 の偉大な先人 後藤寿安 (第48巻第8号)
         後藤寿庵(1577?~1638?)武将(伊達氏家臣)、キリシタン。胆沢地方の水利開発。
岩手県   奥寺八左衛門による新田開発 (第53巻第8号)
         奥寺八左衛門(1628?~1686)武士(盛岡藩)、治水家。和賀地域開田
宮城県   篤農家、熱海孫十郎の功績 -伊豆野堰修築と柳目耕地整理- (第50巻第8号)
         熱海孫十郎(1848~1924)実業家、政治家。伊豆野堰修築(1881)
宮城県   仙台藩の偉大な技術者 川村孫兵衛二代記 (第49巻第5号)
         川村孫兵衛重吉(1575~1648)武将(毛利氏、伊達氏家臣)、貞山堀、北上川改修、伊豆野堰築造
宮城県   前田喜左衛門と大越喜右衛門の偉業 -荒川堰用水堀の開削- (第49巻第11号)
         前田喜左衛門(?~1665)・大越喜右衛門(?~?)
山形県   北盾大堰開削の先覚者、北館大学助利長 (第50巻第7号)
         北館大学助利長(1548~1625)武将(最上氏家臣)。出羽国国田川郡狩川城主。北盾大堰築造
福島県   安積疏水通水100周年と中條政恒 (第51巻第5号)
         中條政恒(1841~1900)米沢藩士、開拓者。福島県職員時に安積疏水(明治15年完成)の総責任者
福島県   八沢浦干拓事業と山田貞策を支えた人々 (第54巻第2号)
         山田貞策(1869~1944)岐阜県人
茨城県   水戸藩利水家・永田茂衛門一族の事蹟 (第52巻第7号)
         永田茂衛門(?~1659)鉱山技師、水戸藩の命により三大江堰(辰ノ口堰1650、岩崎江堰1652、小場江堰1658)の建設
栃木県   「印南丈作」・「矢板武」翁 -那須疏水の開削に尽力- (第48巻第3号)
         印南丈作(1831~1888)・矢板武(1849~1922)両名とも名主。1880年那須開拓社を設立
群馬県   岡上治郎兵衛と新田開発 (第50巻第2号)
         岡上治郎兵衛(1629?~1687)幕府代官(越後、上野、下野、武蔵)。岡崎新田(伊香保)、岡登用水(1664~1672、桐生市)、笠懸野新田開発
群馬県   湛水被害常襲地の改良と松本英一翁 (第53巻第7号)
         松本英一(1877~1961)郡議会議員、組合長、社会運動家。邑楽郡板倉町の湛水改良(昭和2年着工)。足尾鉱毒被害根絶にも活動
群馬県   大谷休泊と休泊堀 (第54巻第3号)
         大谷休泊(1521~1578)関東管領山内上杉家家臣、奉行。技術者
埼玉県   井沢弥惣兵衛為永の業績 -見沼代用水- (第47巻第4号)
         井沢弥惣兵衛為永(1663~1738)紀州藩士。吉宗将軍就任(1716年)に伴い、1722年幕府に出仕。見沼代用水(享和12年着工、翌年完工)
千葉県   大原幽学 -北総の農村改革- (第49巻第1号)
         大原幽学(1797~1858)愛知県生まれ。北総における村づくり指導者
千葉県   吉植庄左衛門とその子孫たち -印旛沼開発- (第53巻第11号)
         吉植庄左衛門(1815~?)下井新田の名主。水野忠邦の開削工事に従事。先祖代々の悲願である印旛沼疏水開削と干拓に取り組む。
長野県   市川五郎兵衛翁と新田開発 (第48巻第10号)
         市川五郎兵衛(1571~1665)南佐久郡、北佐久郡を知行として領有。五郎兵衛用水など開削。
長野県   八ヶ岳西山麓の水利構造 -坂本養川の繰越堰- (第50巻第10号)
         坂本養川(1736~1809)名主。1775年八ヶ岳西山麓の開拓治水請願、1785着工、1801完成。
静岡県   友野与右衛門たちの偉業 -深良用水の開削- (第49巻第6号)
         友野与右衛門、(?~?)江戸の町人、治水家。1666年深良用水開発承認、1670年完成。
静岡県   金原明善と天竜川利水 (第51巻第8号)
         金原明善(1832~1923)治水、治山、利水、企業家
静岡県   浮島沼開発に挑んだ増田平四郎たちの偉業 (第56巻第11号)
         増田平四郎(1807~1892)1846年浮島沼干拓・放水路開削を計画、1865年幕府より許可、1866年着工、1868年竣工
新潟県   宮川四郎兵衛 (第49巻第9号)
         宮川四郎兵衛(1653~1740)柏崎市生まれ。名主、技術者。刈羽郡、三島郡、蒲原郡、岩船郡、魚沼郡等新潟県のほぼ全域の新田開発
新潟県   塚田五郎右衛門 -稲荷中江用水の恩人- (第51巻第4号)
         塚田五郎右衛門(1768~1827)滋賀生まれ、商人、高田の村役人。稲荷中江用水(1812年完成)、笹ヶ峰新田、赤倉開拓を実施
新潟県   下鳥富次郎翁 -上江用水掘継ぎ- (第51巻第11号)
         下鳥富次郎(1745~1814)庄屋。親子三代に亙る上絵用水を完成させた。頚城平野の用水、関川水系右岸丘陵地
富山県   根尾宗四郎 -庄川筋用水の合口用水路を完成- (第56巻第2号)
         根尾宗四郎(1874~1944)庄下村(現砺波市庄下)村長。庄川用水合口事業を推進
石川県   高多久兵衛と農業基盤整備 (第47巻第11号)
         高多久兵衛(1851~1907)金沢生まれ。農政家。石川県で全国に先駆けて、田区改正(耕地整理)事業を実施。「石川方式」として、全国で指導
石川県   板屋兵四郎 -そのナゾの生涯と辰巳用水- (第48巻第12号)
         板屋兵四郎(?~1653)小松の町人、能登の小代官。加賀藩の土木技術者。
石川県   富樫用水開削の功労者 枝権兵衛 (第50巻第11号)
         枝権兵衛(1809~1880)石川郡鶴木生まれ。商人、教育家。富樫用水(手取川の用水)の井肝煎、七ヶ用水の父。
福井県   渡辺泉龍と新江用水路の開削 -明松のあかりで- (第53巻第10号)
         渡辺泉龍(?~1672)
岐阜県   喜田吉右衛門外二氏の偉業 -曽代用水の開削- (第48巻第5号)
         喜田吉右衛門(?~1671)尾張生まれの浪人、寛文年間に関市に移り住む。曽代用水は長良川左岸の美濃市・関市を受益、寛文9年概成
愛知県   明治用水における石川喜平の業績 (第48巻第11号)
         石川喜平(1784~1862)碧海郡生まれ
愛知県   徳川義直と入鹿六人衆 -入鹿池の築造と木津用水の開削- (第49巻第7号)
         徳川義直(1601~1650)家康の九男、初代尾張藩主
滋賀県   田川カルバートと治水事業 (第55巻第1号)
         前田荘助(1829~?)庄屋、排水改良のため、田川カルバート改修に尽力。1883着工、1885竣工。
京都府   近藤勝由 -京都府綾部井堰の恩人- (第50巻第9号)
         近藤勝由(1827~1901)丹波綾部藩代官。水利土木技術に優れ、由良川の治水・利水に功績。
和歌山県     農業水利の偉業者大畑才蔵 (第47巻第7号)
         大畑才蔵(1642~1720)紀伊国伊都郡(現橋本市)生まれ。庄屋、後に紀州藩士。1707年小田井開削の藩命を受ける。
鳥取県   安藤伊右衛門翁 (第52巻第8号)
         安藤伊右衛門(1751~1827)八頭郡郡家の豪農。安藤井手開削の申請を藩に願い出。
島根県   卜蔵孫三郎の荒島新田の開発 (第50巻第1号)
         卜蔵孫三郎(1696~1755)荒島新田、羽入新田を始め、中海周辺の開発
島根県   簸川平野の農業土木史に輝く大梶七兵衛朝泰 (第51巻第2号)
         大梶七兵衛朝泰(1621~1689)出雲市生まれ。荒木浜の開拓、高瀬川の開削、神西湖周辺の開発、その他各地の開発計画を立案
島根県   周藤弥兵衛の日吉切通しと新田開発 (第55巻第5号)
         周藤弥兵衛良刹(1651~1753)八雲村。三代目・私財を投じて祖父からの偉業である意宇川の切貫工事施工
岡山県   津田永忠と新田の開墾 (第51巻第9号)
         津田永忠(1640~1707)岡山藩士。吉井川、旭川下流の新田開発
岡山県   児島湾干拓 -藤田伝三郎の業績- (第53巻第4号)
         藤田伝三郎(1841~1912)長州国萩生まれ。高杉晋作の騎兵隊に参加、後大阪に移り実業家となる。鉱山、土木事業など幅広い事業を展開
広島県   五ヶ村用水と念西法師 (第48巻第2号)
         念西法師(?~?)1597年仏門に入る。芦田川加納堰(府中市)1615~1617
広島県   福山上水と神谷治郎 (第53巻第3号)
         神谷治郎(1600頃~1662)福山藩士、普請奉行。福山上水(福山市、1619年)、瀬戸池(1637)、服部大池(1645)他
広島県   小野池と黒川三郎左衛門 (第55巻第2号)
         黒川三郎左衛門(1723~1806)庄屋
徳島県   袋井用水の創設者、楠藤吉左衛門 (第51巻第3号)
         楠藤吉左衛門(1654~1724)島田村村役人。袋井用水(1699完成)
徳島県   井内恭太郎 -吉野川中流用水の先覚者- (第53巻第12号)
         井内恭太郎(1854~1934)阿波郡大俣村生まれ、徳島県土木課長、各地郡長。吉井用水、川田用水、麻名用水
香川県   “讃岐の禹王” 西嶋八兵衛 -溜池の修築、河川の改修- (第54巻第11号)
         西嶋八兵衛(1596~1680)浜松生まれ。藤堂家(三重)藩士、藩より讃岐に出向を命ぜられ奉行として治水・利水事業を実施後、津藩に戻る。
高知県   野中兼山 (第48巻第9号)
         野中兼山(1615~1663)姫路生まれ、祖母は山内一豊の妹、後野中家養子、土佐藩家老。山田堰、八田堰他多数の利水事業、港湾事業を実施。
高知県   小倉少介、三省父子 -野中兼山とともに新田開発に尽力- (第53巻第9号)
         小倉少介(?~1654)・小倉三省(?~?)近江出身、父は蒲生氏郷家臣、山内家家臣奥氏の養子、後土佐藩仕置役。山田堰、八田堰他。
高知県   「勤王家」 中岡慎太郎と農業土木 (第57巻第8号)
         中岡慎太郎(1838~1867)勤皇志士。父は安芸郡北川村の大庄屋。大庄屋見習いの20歳の頃、「ハモド」地区の耕地整理。
福岡県   大石長野水道の開削と五庄屋 (第52巻第10号)
         五庄屋(?~?)浮羽郡吉井町。1663年久留米藩に用水路工事請願、1664年着工、1665年竣工。筑後川本川の大石堰は1674年築造。
佐賀県   佐賀平野における成富兵庫の業績 (第48巻第1号)
         成富兵庫茂安(1560~1634)竜造寺氏・鍋島氏家臣。佐賀平野の治水・利水事業を実施。
長崎県   大崎連 -三ツ島干拓事業の干拓- (第54巻第10号)
         大崎連(1858~1929)開拓者。明治27年から30年をかけて干潟を干拓。
熊本県   吹上台メガネ橋を築造した地域開発の先覚者・布田保之助翁 (第51巻第10号)
         布田保之助(1801~1873)
熊本県   近代土地改良の源流 -冨田甚平の業績- (第53巻第5号)
         冨田甚平(1848~1927)冨田式暗渠排水工法。熊本、鹿児島、山口、秋田県で勤務指導。
大分県   垣田幾馬 -大分県・萩柏原井路- (第49巻第12号)
         恒田幾馬(1868~1934)柏村村長
大分県   明治大分水路開削の歴史と牧虎太郎 (第51巻第6号)
         牧虎太郎(?~?)明治大分水路(1897年着工)に尽力
大分県   明正井路と矢島義一 (第55巻第12号)
         矢島義一(1884~1922)福島生まれ。大分県農業技手。明正井路(大野郡、1917年着工、1923年通水)
宮崎県   児玉久右衛門 (第49巻第10号)
         児玉久右衛門(1688~1761)西都市生まれ
鹿児島県  野井倉甚兵衛 -大隅半島シラス台地の開田- (第48巻第4号)
         野井倉甚兵衛(1874~1960)野井倉原(志布志市)開拓(1956年完工)
台 湾   台湾の農業水利と八田与一 (第48巻第6号)
         八田与一(1886~1942)石川県生まれ。台湾総督府内務局土木課技師として、土木、発電、灌漑事業に多大な貢献

※土地改良の偉人は下記のサイトでも紹介しています。 併せてご覧下さい。
農林水産省HPの水土里電子博物館サイト
http://www.maff.go.jp/j/nousin/sekkei/museum/index.html
一般社団法人農業農村整備情報総合センターHPの水土の礎サイト
http://suido-ishizue.jp/index.html