令和5年度農業農村工学会大会講演会 企画セッション
令和5年8月29日(火)~31日(木)に松山市の愛媛大学で開催された農業農村工学会大会講演会において,
水文・水環境研究部会主催の企画セッションを開催しました。
日時:令和5年8月31日(木) [3日目:企画セッション14] 15:40~17:20
場所:第3会場(共通講義棟A 2階 A21)
企画セッションのテーマ
農業農村整備における気候変動への長期的な適応戦略
オーガナイザー
吉田武郎(農研機構・農村工学研究部門)
講演題目
• 日本における豪雨の温暖化影響予測と日本の治水における取り組みについて
仲ゆかり(京都大学・防災研究所)
• 気候変動を踏まえた湛水防除事業の計画策定手法の検討について
堀田直之(農林水産省・農村振興局整備部設計課)
• 水稲の収量および品質に対する気候変動影響と適応策導入効果の評価
石郷岡康史(農研機構・北海道農業研究センター)
• 水稲生産者の気候変動適応策と水資源の競合/調和関係の評価
髙田亜沙里(農研機構・農村工学研究部門)
セッション総括
本セッションでは,まず,仲ゆかり氏(京都大学防災研究所)より気候変動に伴う豪雨特性の変化について
最新の研究知見を詳細に説明していただいた.
次に,将来の降雨強度の変化を踏まえ,農林水産省「農業農村整備における気候変動対策に関する検討委員会」
での排水機場の規模変更の考え方について堀田直之氏(農林水産省農村振興局)から紹介いただいた.
さらに,水稲生産に対する気候変動の負の影響を回避するための適応策について石郷岡康史氏
(農研機構北海道農業研究センター)からの解説とともに,それらが水資源との間に働くトレードオフ・シナジー関係に
ついての研究成果が髙田亜沙里氏(農研機構農村工学研究部門)から発表された.
これらの講演を踏まえ,農業農村整備における長期的な気候変動への適応戦略(インフラ整備,制度的改革)について
会場およびオンラインでの参加者のべ約200名が議論した.