学会誌 第85巻第2号 海外農業農村開発協力のこれまでとこれから(2017年2月発行)

◆小特集の趣旨
 少子高齢化の時代にあって,大学進学を目指す18 歳人口は2018 年度を境に減少期に入り(2018 年問題),各大学とも学
生確保に一層の努力が求められる時代に突入します。その一方で,農業農村工学の分野自体も,将来を担う技術者の育成と
技術の継承は急務です。農林水産省農村振興局が4 月に策定した「農業農村整備に関する技術開発計画」においても,「人材
の育成」は重要な課題として認識されています。より多くの若者に,農業農村工学が社会において果たしている役割の多様
性,重要性とそのやりがいを知ってもらい,この分野に飛び込んでもらう必要があります。
 第85 巻第8 号では,「“農業農村工学”って何だろう?」と題して,進路を模索する高校生や,専門教育課程への進級を控
えた大学生といった若年層を対象に農業農村工学の理解を深めてもらうこと,また社会において農業農村工学の知識や技術
を活かすことができる活躍の場と,それを学ぶことのできる全国の36 大学の教育研究を紹介し,農業農村工学の魅力を発
信することとしました。
 現在,国内には農業農村工学を学ぶことのできる多くの大学があり,これら大学の修了者が農業農村工学の現場へと巣
立っています。多くの高校生,大学生に農業農村工学の世界を知ってもらい,この分野に飛び込む手立てになってくれるこ
とを期待しています。

◆展 望 「農業農村工学分野へのご招待」 新潟大学農学部教授・農業農村工学会副会長 森井俊廣

◆小特集報文
進化する農業農村工学
     農研機構農村工学研究部門 山本徳司

農業農村工学の研究課題と求められる挑戦
     京都大学大学院地球環境学堂 渡邉紹裕

行政における農業農村工学の技術
     農林水産省農村振興局整備部農地資源課 山岸雄一

地方公共団体における農業農村工学技術者の役割
     静岡県交通基盤部農地局(農業農村工学会理事)  内山芳彦
     兵庫県加古川流域土地改良事務所(農業農村工学会理事)  石井龍太郎

ものづくりの最前線ゼネコンの使命と魅力
     (一社)土地改良建設協会((株)安藤・間) 清水穂高・冨森淳

コンサルタンツの農業農村工学技術
     (一社)農業土木事業協会(NTC コンサルタンツ(株)) 松浦正一

農業土木の歴史的資産・技術を未来へ生かす農業農村工学
     (一社)土地改良建設協会(清水建設(株)) 清水洋一