1.選考経過
1) 学会広報委員会のもとにある動画WTにて,昨年度に引き続き,こりゃ映像!2020ミニ動画コンテストを行うことになった.
2) 学会誌2020年1月号の会告で募集要領を掲示した.以降,毎号で掲示した.
3) 会告への掲示と同時に,学会HPに募集要領を掲示した.
4) 締め切りの7月31日までに応募があったものについて審査を行った.
5) 動画WTの8名で審査を行った.
6) 最優秀賞1件,優秀賞3件が選定された.
2.選定理由
最優秀賞:鍋家可捺(野洲川土地改良区)
「豊かな実りを育む水~水の守り人~」
TM/TCシステムが整備された農業水利システムによる頭首工から末端圃場までの配水の様子がうまく紹介されています.このようなシステムが農業水利施設の管理者である土地改良区と農業用水の利用者である農家の双方の利便性の向上をもたらしていることが的確にPRされており,作品のコンセプトが明確です.農業用水管理での女性の活躍を紹介したり,農家の生の声を伝えたりといった工夫がみられ,多くのPR情報が制限時間内にうまく盛り込まれています.手作り感が強く,登場人物の素朴な感じにとても好感が持て,秀逸な作品です.
優秀賞:代表 朝比奈潤二(兵庫県篠山土地改良事務所)
「コロナ禍最前線で働くみなさまへ~ハートの形をしたため池より愛をこめて」
コロナ禍の最前線で尽力される方々へハート型のため池を通してエール送るという着眼には,意外性が有り,オリジナリティが認められます.現在の社会状況を踏まえたこの時期だからこその作品であり,土地改良施設を題材として,一般市民へのわかりやすいメッセージが表現されています.また,手書きの文字が効果的に盛り込まれており,あたたかさが感じられる作品に仕上がっています.もう少し,ため池の果たしている水源施設としての本来の役割や多面的機能など,農業農村整備のPRを織り込めるとより充実した作品となると思われます.
優秀賞:竹沢良治(富山県土地改良事業団体連合会)
「農業用水路の安全対策 ~用水路事故のない地域づくりを目指して~」
農業用水のテーマの中でも一般の方が気づきにくい農業用水路の安全対策に着目し,用水路への転落事故に対して土地改良区を中心に様々な安全対策が行なわれていることが,うまく紹介されています.冒頭で,富山県の農業用水路の総延長や農業用水の多面的機能についても触れられており,農業農村整備事業の効果の一面をPRするのに役立つと思われます.広く一般の視聴者を想定すると,そもそも農業用水路は場合によっては危険であることや,その危険さが流速,水深,流量等によって違うことなどがもう少し表現されると良いと思われます.
優秀賞:江蔵 拓(富山県農村整備課)
「土地改良事業を契機とした新たな地域営農の展開in富山県三ヶ地区」
当該地区の概要をダイナミックな映像でコンパクトに表現するとともに,圃場整備事業の効果や,事業を契機とした園芸農業への転換,直売所の開設,農作業体験などの当該地域での取り組みを分かりやすく示しています.特に,小学生によるネギの収穫体験等,視聴者にとって身近な話題まで幅広く題材としているところが評価されます.軽快な音楽が使われており,ステレオ音声が効果的に使われています.土地改良事業の紹介としてはわかりやすい映像ですが,特に後半の部分では「農業用水」というテーマからは離れる部分が多くあります.