東日本大震災 復興への提言

震災復興農村計画研究小委員会 ~東日本大震災復興農村計画への提言〈第二次〉~

 東日本大震災では三陸海岸や仙台平野をはじめとして多くの地域の農業と農村が甚大な被害を受けました。復興に向けての道のりが長く険しいものであることは間違いありません。そうであるからこそ、まちづくり、むらづくりと農業の復興を一体的にとらえ復興に向けた理念を明確にして、人々がそれを共有することが今最も求められています。 このため、農業農村工学会では、研究委員会に震災復興農村計画小委員会を設け、復興のための農村計画のあり方について検討を重ねてきました。共通認識のベースとなるモデル地区を選び、複数回の調査も行いました。

 7月25日には、それまでの検討結果を「東日本大震災復興農村計画への提言〈第一次〉」として取りまとめ、公表しました。それは、復興農村計画策定の基本的視点、被災地域の類型化、土地利用計画、農地整備計画、集落移転計画、被災住民の意向把握と合意形成、土地利用調整手法について早期に政策立案者等関係方面に発信することを目的としたものでした。

 この度は、被災現地において復興に取り組んでおられる方々に対し、具体策の検討の参考になることを目的として、各論の形で提言をとりまとめ公表することにしました。
 提言の取りまとめから公表までの間に第三次補正予算が成立し、復興特区法の制定が見込まれる中で、この提言の内容が実現できる環境も整備されてきました。そして、一部の地方自治体では既に復興計画の最終版が公表されています。しかし他方では、地域の事情を踏まえた復興計画が検討段階にある被災地も多数あると承知しており、当委員会としては、この提言がその検討の一助となることを願うものであります。

平成 23 年 11 月 30 日
社団法人  農 業 農 村 工 学 会
震災復興農村計画研究小委員会
1) 農村コミュニティの再興に向けた視点の重要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 荘林 幹太郎
2) 集落再建 (移転)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 楠本 侑司
3) 農地・農業施設の復旧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 有田 博之
4) 震災復興事業の推進と土地利用調整 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 元杉 昭男
5) 集落移転及び今後の居住に係る被災住民の意向の把握と合意形成 ・・・・・・ 橋本 禅