第38回研究集会 開催報告

 農地保全研究部会は、テーマを 「水田転作と農地保全」 とし、研究集会を平成29年11月16日 (木) に、農研機構西日本農業研究センター講堂 (広島県福山市) において開催した。参加者は大学・研究所関係者15名、行政職員23名、民間企業技術者12名、学生3名、計53名であった。開会式で佐藤泰一郎部会長と農研機構西日本農業研究センター月星隆雄生産環境研究領域長のご挨拶のあと、本年度は自由講演として、応募のあった3題の講演をいただいた。その後、中山間地域における水田転作や大規模生産者等による水田転作,水田転作の固定化について、以下の3題の講演をいただいた。

自由講演1. 堆肥施用による土壌の物理性改善のメカニズム
            山口大学創成科学研究科(農学系)  坂口 敦 助教
自由講演2. チゼルプラウ耕による湿害の緩和技術の評価
            山口大学農学部  平野 真央 学部生
自由講演3. 農地保全分野における研究の動向と展望
            高知大学農林海洋科学部  佐藤 泰一郎 准教授

講 演1. 農地整備事業と農地中間管理機構の連携について
          農林水産省農村振興局整備部農地資源課  松田 治男 班長
講 演2. キャベツの大規模農業団地に向けた基盤整備の取組
          広島県西部農林水産事務所農村整備第二課  佐々木 拓治 主幹(兼)係長
講 演3. 世羅町における農業基盤整備と担い手育成の現状
          世羅町産業振興課  升行 真路 課長

 研究集会の最後には、東京大学大学院 西村拓教授と北里大学 落合博之講師の座長のもと、講演者と中国四国農政局経営・事業支援部農地政策推進課 井上義夫農地集積指導官をパネラーとした総合討論を実施し、講演者への質疑応答も含め積極的な討議が展開された。
 続く11月17日 (金) には、広島県世羅郡世羅町での現地研修会を、29名の参加者を集めて開催した。現地研修会は、 (農) 聖の郷かわしり、目谷ダム、寺岡有機農場において施設等を視察し、水田転作等による野菜生産や用水確保等の説明を受けた。事業関係者への質問と応答も活発に行われ、農地保全と水田における野菜作に対する知見を深める有意義な機会となった。



左 : 研究集会の様子                右 : 現地研修会参加者 (目谷ダム)