平成26年度東北支部宮城大会開催(平成26年10月)

平成26年度東北支部宮城大会開催(平成26年10月)

平成26年度東北支部宮城大会(第57回研究発表会・第47回支部研修会・第37回地方講習会)開催される

平成26 年10 月30 日(木)〜31 日(金)に宮城県仙台市「ハーネル仙台」において,延べ約300 名の参加者を得て平成26 年度東北支部宮城大会が開催された。
まず,支部総会が開催され,郷古雅春(宮城大学)支部大会運営委員会委員長の開会挨拶,北辻政文(宮城大学)東北支部長の主催者挨拶に続き,吉田祐幸宮城県農林水産部長より歓迎の挨拶があった。続いて,平松和昭農業農村工学会副会長および東北農政局整備部長より祝辞を賜った。支部賞授賞式では,杉浦俊弘(北里大学)第56 回研究発表会審査委員長から審査の経緯と結果が報告され,各受賞者に北辻支部長より賞状と副賞が授与された。

東北支部賞の受賞者は次のとおりである。

【優秀賞】3 件
・農業水利施設を活用した小水力発電の実証事業
青森県土地改良事業団体連合会 一戸尚人・澁谷清秀・沼田隆晃・田中暁

・マラウイ共和国における農業水利施設の現状と将来の展望
宮城県農林水産部農村振興課 菅野将央・髙橋ちなみ
宮城県北部地方振興事務所栗原地域事務所 片倉健智

・ほ場整備を契機とした地域づくりとその効果
青森県三八地域県民局地域農林水産部 浅利満

【奨励賞】1 件
・ペーパースラッジの法面緑化工法における浸食防止効果に関する実験的研究
宮城大学大学院食産業学研究科 阿部孝行

【研鑽賞】なし

   
北辻支部長挨拶                支部研修会

続いて,東北大学大学院工学研究科生活環境早期復旧技術研究センター長,石井慶造教授より特別講演「放射能に関する基礎知識及び現場での取り扱い方法について」と題し,放射線や放射能といった基本用語の解説から,汚染土,農地,牧場,森林,湖沼での放射の取扱い方法の説明,震災・原発事故からの農業の復興に向けた農産物などの食品の放射能モニタリングの重要性などについてご講演を頂き,大変有益であった。
午後からは第57 回研究発表会となり5 会場65課題の研究発表が行われた。
1 日目の最後には情報交換会が開催され,宮城の豊富な地酒に舌鼓を打ちながら情報交換と親睦を深め,次期開催県である福島県の後藤庸貴農林水産部次長より閉会の挨拶を頂き散会した。

翌日午前中は「震災復旧・復興状況の継続的な情報発信〜震災の記憶をつなぐ〜」をテーマに第47 回支部研修会が開催された。まず,基調講演「地球温暖化に伴い増大する洪水被害及び高潮災害のリスク」が東北大学災害科学国際研究所の真野明教授より行われ,地球温暖化は不可避で確実に進行し,その影響は長期間継続することが最新の情報に基づいて紹介された。
続いて事例報告として,遠藤泰課長補佐(東北農政局整備部防災課)より「農地・農業用施設の復旧・復興に向けた取り組み」,澤口勝彦水利整備・管理担当課長(岩手県農林水産部)より「東日本大震災津波からの復旧・復興に向けて」,佐々木久則技術副参事兼技術補佐(宮城県農林水産部農村振興課)より「宮城県における農業農村の復旧復興状況」,宍戸潤一副課長兼主任主査(福島県農林水産部農村計画課)より「東日本大震災からの復興,そして新生福島へ」と題した話題提供が行われた。

午後からは第37 回地方講習会が行われ,「土地改良施設などのインフラ長寿命化計画」を平山和徳農林水産省農村振興局整備部設計科施工企画調整室課長補佐より,「国土強靭化に向けた取り組みについて」を廣川正英農林水産省農村振興局整備部設計課計画調整室課長補佐より講義をしていただいた。

今回の東北支部宮城大会の開催に当たり,東北各県および全国から多数の参加を賜った。また運営に際し,宮城県農林水産部,宮城大学および東北農政局の関係各位より献身的なご協力とご支援を賜った。衷心より感謝申し上げる。

(宮城大学神宮字寛)