目指すべき未来社会としてSociety5.0が提唱(2016年)され,建築・土木分野ではBIM/CIMやICT施工の取組みが進められ,実用は一部に限られていますが拡がりを見せつつあります。農業分野ではドローンを活用した営農や農業機械の自動走行の取組みが先行しつつ,施工現場では建設業界の人手不足や働き方改革を背景に3D建設機械が導入され,情報化施工が進展しつつあります。また,農林水産省による情報化施工および3次元データ活用に関するガイドライン,国土交通省によるBIM/CIM関連基準要領等が公開されています。
一方,実用化を進める段階では,必ずしもBIM/CIMデータが情報化施工や維持管理に対応できる訳ではありません。3次元データ取得におけるデータ互換の課題に始まり,設計から施工に移行する段階での設計者と施工者,および施工管理から維持管理に移行する段階で施工者と維持管理者でそれぞれ必要な3次元データや情報に相違があります。また,3次元データの活用における多様な現場条件への対処や現場技術者の育成など多くの課題があり,その対応が求められているのが現状といえます。
農業農村工学分野でのDX進展に向けて,情報化施工およびBIM/CIMの活用における設計,積算,施工,施工管理,維持管理などの各プロセスやデータ移行で直面する課題と対応の現状,最新情報や今後の展望について,幅広く報文を募集します。