“〈水〉と〈土〉と〈人〉の複合系”である〈水土〉は,農業を基軸とするも,経済行為にとどまらない多彩な事象に満ちている。〈水土〉をいかに見極めるか,それは来し方・行く末を展望するうえでの基本でありかつ永遠の課題である。
わが国では,大阪府の狭山池が日本書紀や古事記にも記載されるように,ため池を灌漑水源として利用してきた歴史は古い。その長い歴史の中で,ため池の利用に関する「水土の知」も育まれてきた。それは,限られた水源を有効に活用する知恵であり,灌漑目的以外で利用する知恵である。
最近では農業者の減少や宅地化が進む一方で,ため池数は減少し続けており,現在利用されるため池数は全国で約16万カ所である。そのような中,一見して関係がない稲作以外の農業生産とため池が実は深く繋がっていることや,地勢に則ったため池の配置が農業の多面的機能の発揮に寄与していること等が明らかになってきた。
河川等の安定した水源を持たない地域にとって,ため池は今でも重要な灌漑水源である。そのため,利用が継続されるため池は,今後も適切に維持管理される必要がある。そのような中で,ため池に関する「水土の知」を改めて見直したい。
第18回研究会では,世界農業遺産に認定された大分県の事例とこれから申請を目指す埼玉県の事例を通して,ため池の利用が育んだ「水土の知」とは何か,を具体的に考える。
1. テーマ ため池の利活用に関する〈水土の知〉
2. 日 時 令和4年3月16(水)13:30〜16:00
3. 場 所 農業土木会館 新型コロナウイルス感染状況によっては,オンライン形式で開催いたします。
4. プログラム
講演
(1) 「 クヌギ林とため池がつなぐ農林水産循環」の意義と活用 国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会 会長 林 浩昭
(2) 比企丘陵の谷津沼(やつぬま)農業 埼玉県滑川町役場産業振興課 課長 服部進也
パネルディスカッション:講演者+コメンテーターコーディネーター(水土文化研究部会 広瀬 伸)
5. 参加料 無料
6. 申込み・問合せ先
〒765-0053 香川県善通寺市生野町2575 農研機構 西日本農業研究センター内
(国開)農業・食品産業技術総合研究機構
農村工学研究部門 農地基盤情報研究領域 地域防災グループ 上級研究員 廣瀬裕一
TEL:0877-63-8116 FAX:0877-62-1130 E-mail:kunika@affrc.go.jp
7. 参加申込要領
整理の都合上,2月24日(木)までに以下の要領にてお申し込みください。
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*部会員以外の方も参加できます。