平成24年度九州支部大会開催される(平成24年11月)

平成24年度九州支部大会開催される(平成24年11月)

平成24 年11 月1 日と2 日の両日に,長崎市の長崎新聞文化ホール「アストピア」において第93 回九州支部講演会,シンポジウム,第35 回講習会および現地見学会が開催された。
支部講演会,シンポジウム,地方講習会および現地見学会の参加者は,それぞれ214 名,36 名,85 名,51名であった。講演会の講演題数は65 編であった。
11 月1 日には,9 時30 分から10 時まで開会式が行われ,細川吉晴支部長(宮崎大学農学部教授)の開会挨拶があり,その中で支部名称を「九州沖縄支部」に変更することについて学会員との合意形成を図るために代表幹事を介して進めていることなどの説明があった。続いて中條康朗農業農村工学会副会長の来賓祝辞および開催県である長崎県の上田裕司農林部長(代理松本拓徳企画監)の歓迎挨拶があった。
引き続き,10 時から10 時30 分に支部賞の授賞式が行われた。長裕幸支部賞選考委員長(佐賀大学農学部教授)から優秀賞3件,研鑽賞8 件についての選考経過報告があり,その後,支部長より受賞者に賞状と記念品が授与された。優秀賞の講演題目と受賞者および研鑽賞の受賞者は,次のとおりであった。
【優秀賞】
・軟弱地盤でのほ場整備と暗渠排水被覆材に河川敷の伐採竹を利用した事例
熊本県阿蘇地域振興局 木串野栄次・藤原竜生
・大分県における農業水利施設を活用した小水力発電の推進方針
大分県農林水産部 坂本淳一
・水土里情報を活用した作付調査の事例-モバイル端末による現地調査の効率化と情報の利活用について
宮崎県児湯農林振興局 成松克彦
水土里ネット宮崎 児玉純則・日高崇司
内外エンジニアリング(株)  井波千明
(株)高崎総合コンサルタント 上野健太
イートラスト(株) 川口達哉
【研鑽賞】
・(株)高崎総合コンサルタント阿南光政
・福岡県飯塚農林事務所 宇都宮和美
・佐賀県武雄農林事務所 大宅公一郎
・イートラスト(株)  川口達哉
・九州農政局整備部設計課 久保利邦
・大分県東部振興局日出水利耕地事務所 小林康二
・九州農政局玉名横島海岸保全事業所 原田稔
・鹿児島県大島支庁徳之島事務所 前田勉
その後,10 時30 分から16 時12 分まで講演会が行われた。今年度は3 会場で,1 課題当たり,発表時間10 分,質疑応答2 分の合計12 分とした。各会場において,熱のこもった講演が行われ,活発な質疑応答がなされた。並行して,12 時から14 時までポスターセッションがロビーで開催され,大学院生と学部生による6 件のポスター展示・発表があった。ポスター賞は,参加者の投票結果により次の2 件が表彰された。
・新燃岳火山灰の諸特性とその有効利用-火山灰pH 変化と細骨材としての粒度特性
宮崎大学農学部 河野俊介
・SD 法による農村景観評価に用いる形容詞対尺度の検討
鹿児島大学大学院農学研究科 森田直之
翌日の11 月2 日には,9 時30 分から11 時20分まで第3会場でシンポジウム「九州沖縄における土と水の諸問題」が行われた。次のとおり2 題の講演があり,最近の研究成果についておのおの30 分ほど発表があった。
・転炉スラグの有効利用に関する研究カドミウム吸収抑制資材への適用及びスラグ舗装資材に対する環境影響評価
九州大学大学院生物資源環境科学府 森下智貴
・Mineralogy effects of clay suspensions on flocculation of weathered volcanic ash-based agent(風化火山灰から作成した凝集剤の効果に対する濁水の鉱物組成の影響)
九州大学大学院生物資源環境科学府 Nguyen Thi Hang Nga
これらの講演終了後,近藤文義佐賀大学農学部准教授の総合司会のもとで,活発な質疑応答が行われた。
また,第2 会場では,9 時30 分から11 時まで講習会が行われた。その内容は「土地改良施設管理基準−頭首工編−の改定」で,佐藤功農村振興局水資源課施設保全管理室課長補佐による講習が行われた。さらに,午後からは「諫早湾干拓」の現地見学会があり,長崎県関係者より干拓についての歴史的経緯と現状が説明され,参加者は熱心に聞いていた。
今回の九州支部大会の開催に際して,長崎県農林部の関係各位からは多大なるご尽力をいただいた。また,学会員ばかりでなく多くの方々にご支援をいただいた。この場をお借りして,感謝申し上げる次第である。
(宮崎大学農学部 細川吉晴)