第70 回京都支部研究発表会は,平成25 年11 月13日(水),244 名の参加者を得て,京都府の京都テルサにて開催された。開会式では,石黒覚支部長の開会挨拶に続き,来賓の内田一徳農業農村工学会副会長,坂井康宏近畿農政局整備部長,小田一彦京都府農林水産部長の3氏より祝辞が述べられた。次に,高瀬恵次支部賞選考委員会委員長より,昨年度の研究発表課題から選出された下記の優秀賞4 件,研究奨励賞6件および研鑽賞1 件の選考経過について報告され,支部長より賞状と記念品が授与された。
【優秀賞】
・新潟の地盤特性を考慮した基礎木杭設計指針の作成
新潟県農地部 伊藤広明
会計検査院 小田里司
・低圧パイプラインにおける配水槽設計について
新潟県新潟地域振興局 風間十二朗
・新潟市亀田郷西部地区における環境用水量の検証について
亀田郷土地改良区 越山直子
・パイプライン変状要因調査手法の有効性
北陸農政局整備部設計課 中島博文
近畿農政局整備部設計課 入田明夫
近畿農政局淀川水系土地改良調査管理事務所 林田清華
【研究奨励賞】
・周辺地盤密度を考慮した不均一地盤における埋設管力学挙動に関する模型実験
神戸大学農学部 浅尾瞳
神戸大学大学院農学研究科 園田悠介
・田んぼダムの経済価値の簡易評価手法の開発
新潟大学大学院自然科学研究科 阿部聡
・埋設管周辺部グリッド補強効果に関する単純せん断実験
神戸大学農学部 小野耕平
神戸大学大学院農学研究科 百々宏晶
・地域のリサイクル材を活用した遮熱性舗装の温度低減効果
三重大学生物資源学部 佐藤咲乃
・粒子フィルタを用いた地盤挙動の予測
京都大学大学院農学研究科 新村隼人
・局所1 次元開水路網流れ解析のための双対格子に基づいた有限体積法スキーム
京都大学大学院農学研究科 吉岡秀和
【研鑽賞】
・農業水利施設の機能診断に関する一連の研究
(株)日本水工コンサルタント 千代田淳
開会式に引き続き,「京料理と京野菜について」と題して,(株)たん熊北店代表取締役の栗栖正博氏による
基調講演が行われた。
午後の研究発表会は,同じ京都テルサにおいて7 会場に分かれて92 課題の発表が行われた。民間,行政,研究機関から日々の研究や業務から培われた質の高い発表と活発な議論がなされた。
研究発表会終了後,京都テルサ東館1階レストラン朱雀に会場を移し,51 名の会員が参加して情報交換会が行われた。参加者相互の親睦が深められ,次年度開催の岐阜県農政部農地整備課長の加藤義則氏によるご挨拶のあと盛会のうちにお開きとなった。
翌14 日には現地研修会が2 コースで行われた。
「巨椋池と嵐山を訪ねるコース」には18 名が参加し,巨椋池排水機場,一の井堰,木津川・流れ橋および蹴上インクラインの現地見学が行われた。一方,「国営亀岡地区と美山かやぶきの里を訪ねるコース」には15名が参加し,国営亀岡農地再編整備事業,八木バイオエコロジーセンター,河鹿荘および美山かやぶきの里・北集落を視察した。
最後に本研究発表会ならびに現地研修会などの実施に当たり,多大なご尽力を頂いた京都府農林水産部農村振興課,近畿農政局,水土里ネット京都ならびに京都大学の皆様方に厚くお礼申し上げます。
(三重大学大学院生物資源学研究科 石黒覚)