平成 26 年 10 月 23 日（木），群馬県市町村会館（群 馬県前橋市総社町）において，第 65 回関東支部大会 講演会および地方講習会が開催された。群馬県農政部 農村整備課村上行正課長の開会の辞，後藤 章支部長（宇都宮大学）の挨拶に続き，来賓として群馬県農政部 宮崎一隆部長，農業農村工学会池田 正副会長よりご 祝辞を頂いた。
引き続き開催された講演会では，3 会 場に分かれ，計 27 課題の研究成果が発表された。講 演者の内訳は，行政関係 10 件，独立行政法人 6 件，民 間 3 件，大学関係 8 件であった。いずれの会場でも熱 心な質疑応答が交わされ，産官学を超えた研究情報交 流の場として有意義な機会が提供されたと考えてい る。なお，全体の参加者数は 238 名であった。

講演会終了後，関東農政局との共催によって，地方 講習会を開催した。今年度は「農業農村整備に関する 技術について」をテーマとし，関東農政局整備部設計 課川合規史課長の趣旨説明のあと，以下のように，農 林水産省農村振興局所管の官民連携新技術開発事業に おいて開発された最新の機能診断技術 2 事例と群馬県 における獣害対策に関する技術 1 事例について講演が なされた。

「農業水利施設のストックマネジメントを支援する オンサイト情報システムの研究開発」（株）イマジックデザイン技術開発室 　庄 直樹氏

「農業水利システム水利用機能診断ツールの開発」
（株）チェリーコンサルタント東京営業所　内田昌男氏

「群馬県における取組事例〜獣害対策『粗目グレー チング』の観察経過報告〜」
群馬県中部農業事務所渋川農村整備センター阿野光志氏

その後，前年度関東支部大会講演会での発表に対す る支部賞の授賞式が行われた。石井 敦支部賞選考委員会委員長（筑波大学）による選考経過の説明のあと， 支部長から受賞者に賞状と副賞が授与された。今回の 支部賞は優秀賞 3 件，奨励賞2 件，研鑽賞 2 件であっ た（功労章は該当なし）。受賞者と業績内容は以下の とおりである（敬称略。所属は発表当時のもの）。

【優秀賞】

・東葛飾地域の放射線量の状況と土木工事等における 対応について
千葉県東葛飾農業事務所 　長谷川知子

・企業参入による畑かんの活用・効果・耕作放棄地防 止
栃木県芳賀農業振興事務所 　西田 稔

・環境に配慮した圃場整備小代地区
栃木県上都賀農業振興事務所 　田村 薫

【奨励賞】（学生対象）

・平成 23 年（2011 年）東北地方太平洋沖地震によっ て決壊した中池の氾濫解析
東京農工大学大学院 　小嶋 創

・インドネシア共和国の泥炭地における土壌呼吸量の 長期観測
宇都宮大学大学院 　  鈴木優輔

【研鑽賞】（多年にわたる研究成果発表実績に対して）

・(株）ティーネットジャパン 江部春興

・(株）日本水工コンサルタント 千代田 淳

閉会ののち，場所をホテル・アニバーサリーコートラシーネに移して情報交換会が 59 名の参加者をもっ て開催された。群馬県農政部農村整備課吉田輝彦補佐 の司会のもと，村上課長の歓迎挨拶に続き，関東農政 局整備部大田武志部長（関東支部副支部長）から主催 者挨拶があり，後藤支部長の乾杯の発声でにぎやか に，なごやかに交換会が進行した。群馬の地酒をはじ め，群馬県産の食材も紹介され，飲食を楽しみながら 情報交流の輪が広がった。最後に，次年度開催県であ る茨城県を代表して，茨城県農林水産部農地局農村計 画課村中健一主任によるご挨拶と万歳三唱があり，盛 会のうちに情報交換会を閉会するとともに，支部大会 の全日程を終了した。末筆ながら，開催の準備・当日 進行にご尽力いただいた群馬県職員各位に深甚なる感 謝の意を表して，支部大会開催報告とします。

（宇都宮大学 後藤 章)