平成29年度東北支部総会・第59回東北支部研究発表会ならびに第49回東北支部研修会・第39回地方講習会開催される(平成29年11月)

平成29年度東北支部総会・第59回東北支部研究発表会ならびに第49回東北支部研修会・第39回地方講習会開催される(平成29年11月)

平成29 年11 月8 日(水),9 日(木),10 日(金)の3 日間にわたり,岩手県盛岡市のいわて県民情報交流センター「アイーナ」ならびにホテル「ルイズ」において,298 名の参加者を得て,平成29 年度東北支部大会が開催されました。
初日の11 月8 日(水)には,23 名の参加を得て,東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市の中心商店街,および小友地区の復興圃場整備と防潮堤の現地を視察しました。

2 日目の11 月9 日(木)は,午前中に支部総会が開催され,千葉 匡東北支部副部長(岩手県農村建設課総括課長)による開会の後,広田純一東北支部長(岩手大学教授)の主催者挨拶,紺野由夫岩手県農林水産部長の歓迎挨拶に続いて,岩渕 明岩手大学学長,林田直樹農業農村工学会副会長,髙居和弘東北農政局農村振興部長より祝辞を賜りました。続いて支部賞授賞式では,第58 回研究発表会審査委員長の颯田尚哉岩手大学教授より,審査の経緯と結果が報告され,以下の受賞者に支部長より賞状と副賞が授与されました。
【優秀賞】
池底放射性濃度の鉛直分布簡易測定器開発に向けて
福島県土地改良事業団体連合会 菅野 勉
広域的な地盤沈下を受けた農地の排水対策について
福島県いわき農林事務所 髙山伸之介
初心者向けコンクリート水路の簡易目地補修の実践事例
東北農政局土地改良技術事務所 澤田真之
【研鑽賞】
・ 宮城大学大学院食産業研究科 阿部孝行
【奨励賞】
・育苗箱施用殺虫剤の額縁散布による生物相への影響
宮城大学大学院食産業研究科 今野智貴
・ペーパースラッジ灰の軟弱地盤に対する地盤改良材としての利用
宮城大学食産業研究科 佐藤由磨

午前中の最後には,福島大学経済経営学類の守友裕一特任教授より,「災間の時代の農業と農村」という題目で示唆に富んだ特別講演をいただきました。午後の研究発表会では,3会場に分かれて38 名が発表し,各会場とも活発な質疑が行われました。会場をホテル「ルイズ」に移して行われた情報交換会には50 名が参加し,盛岡伝統さんさ踊りの披露もあって和やかな雰囲気の中で親睦と情報交換がなされました。


支部研修会

3 日目の午前中には,支部研修会として「ローカルセッション〜東北地方における産学官連携による農業農村の課題解決に向けて〜」を開催しました。これはあらかじめ募集した現場の課題に対して,産官学それぞれのメンバーがパネルディスカッション形式で課題解決の方法を議論するという新しい取組みで,第1課題「農地保全や水管理におけるICT・IOT 技術の導入」,第2 課題「用配水管理と軟弱地盤地域における幹線用水路更新整備の地盤対策」,第3 課題「災害復旧事業における写真測量の活用拡大」について,会場からの発言も含めて活発な議論が交わされました。また午後は,「『土地改良法』の改正」(農林水産省農村振興局整備部土地改良企画課 後藤光喜氏),および「農業水利施設の補修・補強工事に関するマニュアル(パイプライン編)(案)」(農林水産省農村振興局整備部設計課施工企画調整室 寺田修平氏)の2つのテーマで地方講習会が行われました。

以上,3 日間にわたる支部大会に当たっては,岩手県農村建設課をはじめ,岩手県土地改良連合会,岩手大学など,関係者の皆様方に多大なご協力を頂戴いたしました。心よりお礼申し上げます。
(岩手大学 広田純一)