平成27年度東北支部福島大会開催(平成27年10月)

平成27年度東北支部福島大会開催(平成27年10月)

平成27年度東北支部福島大会(第58回研究発表会・第48回支部研修会・第38回地方講習会)開催される 

平成27年10月26日(月)〜27 日(火)に福島県の「コラッセふくしま」において,約350 名の参加者を得て,東北支部福島大会が開催されました。まず,東北支部総会が開催され,原田茂樹(宮城大学)支部大会運営委員長の開会挨拶と北辻政文(宮城大学)東北支部長の主催者挨拶に続き,小野和彦福島県農林水産部長より歓迎の挨拶がありました。続いて,池田正農業農村工学会副会長と米田博次東北農政局農村振興部長より祝辞を賜りました。支部賞授賞式では,第57回研究発表会審査委員長から審査の経緯と結果が報告され,各受賞者に支部長より賞状と副賞が授与されました。東北支部賞の受賞者は以下のとおりです。

【優秀賞】3 件

東日本大震災津波により壊滅的な被害を受けた農地の復旧・整備危機を希望に変える“災害復旧と一体となって進めるほ場整備
岩手県沿岸広域振興局農林水産部大船渡農林振興センター 鎌田裕
岩手県土地改良事業団体連合会 高橋敬史

農業用施設(ため池)における耐震性検証技術
福島県農業総合センター企画経営部 佐藤輝幸

小水力発電施設における除塵対策の取り組み事例
宮城県農林水産部農村振興課 菅野将央・髙橋ちなみ

【奨励賞】1 件

・ドジョウを対象とした育苗箱施用殺虫剤の毒性評価試験
宮城大学大学院食産業学研究科 宮井克弥

【研鑽賞】1 件

・宮城県大河原地方振興事務所  渋谷健一

  
支部賞授賞式            小山教授による特別講演
続いて,うつくしまふくしま未来支援センター副センター長,小山良太教授より特別講演「福島の食と農の再生に向けて-発信から伝えるへ-」と題し講演がありました。

午後からは第58 回研究発表会となり,5 会場71 課題の研究発表が行われました。今回,会場内に農業土木技術者を目指す学生に向けて「国・県就活支援ブース」を配置し,東北6県の農業農村整備事業のパンフレットの配布や就職相談を受け付ける体制をとりました。なお,山形大学からは2・3年生の25 名に研究発表会に参加いただくことができ,活気のある発表会となりました。情報交換会では,福島の豊富な地酒に舌鼓を打ちながら情報交換と親睦を深め,平成28 年度全国大会開催県である宮城県の菅原喜久男農林水産部次長より閉会の挨拶を頂き散会しました。

翌日の午前中は「震災からの復旧・復興の記憶と記録の継承」をテーマに第48 回支部研修会が開催されました。まず,基調講演「放射性物質拡散からこれまでの現状と福島県の農業再生に向けて」が国立研究開発法人国際農林水産業研究センター科長の万福裕造氏より行われました。講演では,放射性物質の拡散状況の推移と除染方法や農作物に含まれる放射性物質の吸収抑制対策の効果などについて,基礎的な知識の解説も含めて紹介していただきました。続いて,NPO 法人ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会理事長の武藤一夫氏より「原子力災害からの農業復興の取組み」,相馬地方青年農業者組織A.C.ハマーズ2001 会長の佐藤哲也氏より「津波被災そして原発事故からの復興」と題した講演が行われました。

午後からは第38 回地方講習会が行われ,「土地改良事業設計指針『耐震設計』について」を加藤裕二氏(農林水産省農村振興局整備部設計課施工企画調整室設計基準第一係長)より,「農業水利施設の機能保全の手引き」を樺山大輔氏(農林水産省農村振興局整備部水資源課施設保全管理室課長補佐)より講義をしていただきました。

今回の東北支部福島大会の開催に当たり,東北各県および全国から多数の参加を賜りました。運営に際し,福島県農林水産部,宮城大学および東北農政局の関係各位より献身的なご協力とご支援に衷心より感謝申し上げます。

(宮城大学 北辻政文)