部会概要

~ 部会の概要 ~

農村生態工学とは、農村生態系に適応して生育・生息する生物群集の保全および農村生態系の修復と、生産と生活の場である農村の振興という、二つの目的を融合的に研究するための「学」です。

本研究部会は、農村生態工学に関する実践的研究とそれを支える基礎的研究についての総合的な調査・研究を実施し、支援することにより、その進歩発展を目指しています。

 

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本研究部会は、平成15年に設立した比較的新しい研究部会です。部会の発足当時は、平成13年度に改正した土地改良法に「環境との調和への配慮」といった文言が盛り込まれ、また平成14年3月に見直された生物多様性国家戦略では里地里山等における生物多様性の危機が位置付けられ、平成15年1月には自然再生推進法が施行されるなど、土地改良事業はもちろんのこと、人間生活や社会経済活動全般で自然環境の共生が課題となりつつある気運に満ちていました。
こうしたなかで農業土木学会(当時)が策定した「新たな<水土の知>の定礎に向けて」は、「さまざまな水や物質の循環系、あるいは生態系を回復していくような全体的な対応が必要」と指摘し、その重要性を内外に明らかにしました。
このような動きにともなって、農村地域における環境整備構想の策定段階や、個別プロジェクトにおける事業計画・設計・施工・管理等の各段階で生態系への配慮が取り組まれるようになりました。しかしながら、二次的自然として特徴づけられる農村生態系のメカニズム、あるいはそこに生育・生息する生物群集の営みについては十分解明されているとは言い難く、また、農業農村整備事業が生物群集とそれを支える環境と資源に及ぼす影響の評価方法も未確立の状態でもありました。さらに、生態系に配慮した農業農村整備事業を展開するとしても、計画論的、技術論的、管理論的な知見の蓄積は十分ではなく、手探りで進めていることも当時の現状でした。そのため、 農業・農村の多面的機能の充実が求められ、農業における環境政策のあり方が問われるようになった昨今の動きの中で、「農と自然の共生」を支える基礎科学と応用技術の融合は、当時においても焦眉の課題となっていました。
こうした認識から、農業土木学、農学、生態学などの関係者が相集い、農村生態工学(二次的自然である農村生態系に適応して生きてきた生物群集の保全および農村生態系の修復と、生産基盤・生活基盤としての農村の整備という、二つの目的を融合的に研究するための「学」)を構築する場として、本研究部会が設立されることとなりました。